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2006年8月30日 (水)

誰が起こしたって?

昨日の深夜のことだった。
翌日が休みなので、珍しく遅くまで、起きていたけいこたん、洗面所の物音に気がついた。
そうっとドアを開けてみると、薄暗い洗面所で、ばあちゃんが、歯を磨いていた。
けいこたんに気がつき、ばあちゃんは、「おはようございます」と言った。
「おばあちゃん、まだ夜中の1時だよ」とけいこたんが、ばあちゃんに聞こえるように耳元で言うと、ばあちゃんは、「そうだろぅ。ばってん、おかあさんが、何回も起こしに来るけん。もうそろそろ起きようかと思う。」
「おかあさんって?」
ばあちゃんは、けいこたんの名を挙げた。
「私は起こしてなんかないよ。」
もうばあちゃんは、けいこたんの言葉には、知らんぷりだ。
仕方なく、好きにさせることにした。
ばあちゃんは、そのまま、ベッドを片付け、着替えてしまった。
電気をつけた部屋で、そのまま朝を迎えたに違いないが、けいこたんは、今日一日、まどろんでしまった。

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じいちゃんの年

じいちゃんは、今月が誕生日だが、デイケアやデイサービスに行っても、そこで、今月のお誕生会というのを、やってもらうことが出来る。
今日も、デイケアでお誕生会をやってもらったらしく、バラの花束をもらって帰って来た。
手洗いとうがいに誘導し、じいちゃんに話しかけてみた。
「おじいちゃん、今日、お誕生会をやってもらったみたいだねえ。」
じいちゃんは、「わたしの?」
「そうだよ。おじいちゃん、いくつになったの?」
じいちゃんは「そうなあ、55くらいかなぁ。」
いいな、いつまでも年をとらなくて、じいちゃんは。

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2006年8月29日 (火)

気にせんで

夕食の仕度が出来、和室にじいちゃんとばあちゃんを呼びに行った。
ばあちゃんは、相変わらず、ベッドに横になって白河夜船だったが、じいちゃんは、庭を向いて立っていた。
ありゃまあ、「おじいちゃん、パンツどうしたの?」
なにやら臭う。
じいちゃんの脱いだはずの紙パンツを探すと、縁側のほうの扉に挟まっていた。
少し形跡がある。じいちゃんは、自分のお尻を手で撫で回そうとした。
「あっ、おじいちゃん、お風呂お風呂。」
じいちゃんは、お風呂でゴシゴシと臭いが残らないよいうに、洗いまくるけいこたんに、
「もう、こげん手のかかるごつなったら、しまいなあ。(こんなに手がかかるようになったら、おしまいだなあ)」
「なあに、おじいちゃん、年取ったらみんな順送りだから、気にせんでいいとよ。」とのけいこたんの言葉に、じいちゃんは、
「あたが、そげん言うてくれると、ほんになあ・・・ばってん、かあちゃんからは、おごられて(怒られて)ばかりだけん。」
「なあん、ばあちゃんも、じいちゃんのことが、頼りだけん。怖いものが見えたりすると、じいちゃんのことが、頼りだけん。」と話した。
サッパリしたじいちゃんに、「ご飯だから、おばあちゃんを起こして一緒に、来てください。」と告げ、けいこたんは、台所に戻った。
廊下でばあちゃんの声がした。
「こっちたい、こっちたい!便所だろ?!」
じいちゃんは、廊下で、まごまごしてしまっていた。
けいこたんは、「おじいちゃん、こっちこっち。」と手招きした。
じいちゃんは、「うん、???もうどげんしてよかかわからん!」

翌朝、庭に降りたけいこたん、なにやら異様な臭いにふと周りを見渡すと、昨日のじいちゃんの、痕跡がこんもりと残っていた。
そうか、じいちゃん、和室から、パンツを脱いで、庭に降りて、やっちゃったんだぁ。

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2006年8月25日 (金)

88才

今朝、「今日はじいさんの誕生日!」とパパがばあちゃんに大きな声で話していた。
ばあちゃんは、「ほおそうねえ。」
ばあちゃんは食卓に着くと、先にテーブルに着いていたじいちゃんに向かって「誕生日おめでとうございます。」と言った。
じいちゃんは「うんうん」と頷いた。
その少し前、「今日は誕生日!」と言うパパの声に、じいちゃんは「だあれの?」と聞き返していた。
「おじいちゃんの誕生日だよ!」「へえ~?」
「いくつになったの?」「さあ~?」
「88歳!米寿だよ!」「べいじゅ?」
というわけで、今夜は恒例の誕生会となった。
パパの帰りが遅く、テーブルにセッティングされたまま、しばらく待たされていたじいちゃんとばあちゃんは、ソファーの上で、こくっくりこっくりしていた。
全員が席に着いた。(夏休みで、末っ子のさっくんも帰っている)
ばあちゃんが「いただきます!」とまたフライングした。
「まだ、まだだよ!今日は誕生会だから、ちょっと待って!」
けいこたんが思わず大きな声を出したので、隣でさっくんが「そんなに叫ばんでも聞こえとるんじゃないの?」と言った。
今日は誕生日だと話してあったし、目の前には、ケーキにロウソクも立っている。
今から皆で♪ハッピーバースデー♪を歌うに決まっているではないか。
だが、そこが、ばあちゃんのスイッチの切り替えの難しいところだったんだろう。
止められたばあちゃんは、じっと目の前を見ていた。ロウソクに灯がつき、電気を消してハッピーバースデーを歌い始めると、最近補聴器をつけているばあちゃんも一緒に歌い始めることが出来た。
パパが「88才になったなあ。あたが一番長生きしとるごたるねえ。」と言った。
じいちゃんは、「そうなあ?」
けいこたんが、「おじいちゃんは、これからもちゃんと食べて元気でおらんといかんよ。」と言うと、じいちゃんは「うんうん」とつぶらな目をますます細めて笑った。
先日、ケアマネ氏の定期訪問があり、「今後、入所予定などはおありですか?」と聞かれたが、今のところは考えてない。
誕生祝の度にじいちゃんが嬉しそうにするのはなんとも心温まる。明日は忘れているに違いないのだが。
さて、米寿のお祝いは、いつしようか。

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2006年8月21日 (月)

補聴器

ばあちゃんの耳が聞こえにくいのはいつからだったかしら。
先日、ばあちゃんの里帰りの際、ばあちゃんの弟の次おじさんも耳が遠く、ばあちゃんのお父さん、つまりはパパのおじいさんにあたる人も相当耳が遠かったそうで、これは遺伝だということになった。
次おじさんから補聴器を貸してもらってはめてみると、これがなかなかよく聞こえたらしく、ようやくばあちゃんも補聴器をつけてみようかという気になったようだ。
それまでは、「補聴器なんて、(値段が)高いばっかりで、ジージー言うてちっとも聞こえんらしい。」と拒否していたのである。
補聴器をつけるための検査で、ばあちゃんの耳は、右側は重度の難聴、耳の穴を覗いて見ると、奥が見えない、つまり穴がまっすぐあいてなくて、曲がりくねった穴だというのである。イヤホンをつけても、穴が塞がった状態で、これでは音が奥に届かないはずだ。
左側も難聴、しかも、「あ」が「ば」に聞こえたりする、認識能力の弱い難聴というのである。
補聴器をつけてテレビを見るばあちゃんは、今まで30~40レベルで聞いていたが、25くらいのレベルで聞こえるようになった。
だが、内容が全部認識できるかどうかは、わからない。
会話は以前より少しは成り立つようになったが、とんちんかんな返事が返ってくるときもある。
ただ、ばあちゃんの楽しみな「渡る世間は鬼ばかり」をイヤホンなしで見れるのは楽しいことかもしれない。

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2006年8月19日 (土)

認知症の定義

「夕食はいらないってよ」と言うパパに、「カレーライスだからと誘ってみて」とじいちゃんを呼びに行ってもらい、じいちゃんはカレーライスを完食した。
食事の後、ばあちゃんはさっさと寝室へ引き上げてしまった。
お茶にしようと思ったけいこたんはソファーに座っていたじいちゃんにも聞いてみた。
「コーヒー飲みますか?」
じいちゃんは、一呼吸おいて、「うんほなら少し。」と答えた。
じいちゃんにはコーヒー牛乳にして、少し砂糖も加えた。
猫舌のじいちゃんは、少しヌルクなり、飲みやすくしたコーヒーを一気に飲み干した。
それから30分程テレビを見ながら座っていたじいちゃんが、ふとパパに聞いた。
「ここは、寝る前に便所に行く時はどこに行くとよかろうか?」
「便所は、こっちだよ!」
パパが手を引いて連れて行こうとした。
じいちゃんは、「田舎はわかりにくくて困る」と言いながら着いて行った。

認知症が進むと買い物の仕方やトイレの使い方がわからなくなったりして、毎日の生活で正しく判断して行動することが苦手になるらしい。
しかし、心の働きが全て衰えるわけではなく、人間としての感情やプライドは残っているそうなのである。

トイレの後、寝室に行ったじいちゃんがしばらくして、ドンドンドンとなにかをたたく音がした。
行ってみると、押入れの扉をたたきながら、「便所に行く道を考えとる」と言うのである。
今のところ、じいちゃんの課題はこれだなあ。
過去に一度だけ、押入れをトイレと間違えたことがあったけどね。

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2006年8月16日 (水)

ミニトマト

少ない夏休みが終わり、忙しい毎日に戻った。
ショートステイに行っていたじいちゃんとばあちゃんも戻って来た。
じいちゃんは、今回は何事もなかったかのようだった。
ちょっと安心した。
夕食時、食卓の上のミニトマトを見て、ばあちゃんが「このトマトはきれいかなあ」と言った。
パパが「これは、うちに出来たトマトじゃないよ」
するとばあちゃんが言うには「うちのミニトマトはいつも女子(おなご)が食べてるけん、いかんよって言うけど。」
パパが「それで、うちのミニトマトが少ないんだろうねえ。また花がついてるけん、いっぱい生るよ」
いかんいかん、おかしな話には着いて行けん。

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2006年8月13日 (日)

暑さのせい

いつもショートステイの予定日をカレンダーに記入しておくのだが、今回は、予定していた日を申し込み直前に変更していて、カレンダーのほうを書き換えるのを忘れてしまっていた。
居宅サービス計画書というのがあるのだが、それを確認せずに、お泊りの準備は進んでいた。
それで、予定通りに、デイサービスがお迎えにきてくれたとき、パパは断ってしまった。
職場に電話があり、ケアプランを確認して、けいこたんはミスにようやく気がついた。
再び、デイサービスに連れて行ってもらい(これは、仕事に融通がきくパパの仕事)、ショートステイは翌日からの参加となった。
夕方、ショートステイの施設から「明日、何時に迎えに行きます」旨の連絡が入った。
そうだよねえ、いつもお迎えの連絡があるものねえ。
ばあちゃんに「今朝はお騒がせしました。」と謝った。
ばあちゃんは、「ああ、忙しかったよ」と笑った。
暑さのせいにしておこう。

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2006年8月12日 (土)

ひ孫との初対面

長男一家がやってきた。
じいちゃんとばあちゃんは、ひ孫と初対面だった。ふたりとも、目を細めて口々に「かわいかなあ。」と言った。
ばあちゃんは、「抱っこしたいけど、汗だくで。」と言う。膝の上に乗せてやると、眺めていた。
Babyが泣きそうになると、「泣くならかわいそうでいかんよ。」と言う。
そう言えば、長男がBabyの頃、ばあちゃんに抱かれていて、泣き出すと、ばあちゃんはいつも「だあれが、泣かせたかい。」とあやしていたなあ。
今夜の夕食は、4世代揃っての賑やかな食事となった。
Babyは、まだおっぱいだけどね。

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墓参り

けいこたんの公休日に合わせてパパも休みを取り、熊本へ墓参りに行った。
数日前から、ばあちゃんの墓参りの準備は着々と進んでいた。
髪の毛も染めたし、服も買いに行った。
朝、なかなか起きてこようとしないじいちゃんにも「ご飯ばしっかり食べて、元気に墓参りに行くばい!」と叱咤激励していた。
当日は、朝7時前には、二人ともお出かけの準備が出来ていた。

我が家のご先祖様の墓の前で、ばあちゃんはなにやらしきりにブツブツ言っていた。
聞いてみると「どうか、元気に暮らせますように、守って下さい」を、何回も繰り返していた。
そして、じいちゃんにも「早よ、参らんね。」
するとじいちゃんは、いつものように、「わからん!どがんすっとか?なあんもわからん!」とわからんを連呼した。ようやく、両手を合わせ、次に、ばあちゃんの里へと向かった。以前は山道をくねくねと上って行ったが、最近、道路が出来ていて、少し楽だった。
ばあちゃんの里では、連絡していたばあちゃんの妹さん達が集まっていた。
その家の長女であるばあちゃんと、来ていた妹さんとは、それぞれ10歳ずつ離れている。つまり、84才、74才、64才が集った。昔の人は延々と産み続けたものだなあと思う。
ばあちゃんの実家に住んでいる次おじさんは、今年の連休に福岡まで、ばあちゃんに会いに来てくれたが、本当に仲の良い兄弟だと思う。
ばあちゃんが、おばさんに、「いつも、誰か来てるけど、私には教えんけん、なんも聞かんでおるたい。」と話し始めた。
けいこたん達は、なっなんなんだぁ?いつも誰が来てるんだぁ?
またいつもの妄想話かぁ。
おばさんの話によると、熊本にいる頃から、そういった話をよくしていたらしい。
最初は心配していたが、どうもおかしいと思っていたそうなのである。
パーキンソン薬の副作用かと思っていたが、そうとばかりも考えきれない、なにか不思議なことが、ばあちゃんの頭の中で常に起きているようだ。
相変わらず、夜中に「ご飯って呼びに来た?」と起きてくるし、「天井から黒い板が降りて来た」と訴えるし、けいこたんが返事に窮すると、すぐに自分のペースで向こうへ行ってしまうし。

取り合えず、今年の墓参も無事に済んだ。

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2006年8月 5日 (土)

勘違い

じいちゃんは、最近ショートステイから帰ってくると、けいこたんやパパを見ては「すまんかったなあ。留守してて迷惑かけたなあ。」とウルウルする。
「いやいやそんなことないよ。」と言って聞かせても、「大変だったなあ。」と繰り返すばかりである。
ばあちゃんが言うには「じいさんが、泊まりに行くのを断ってきた。」と言う。
してみると、じいちゃんは、自分達が留守すると、けいこたん達が大変だと思っているのかもしれない。
じいちゃんは、なにか勘違いしているぞ。

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2006年8月 1日 (火)

ソウル紀行

けいこたんは、ソウル二泊三日の旅から帰って来ました。
いつか、自分のママを旅行に連れて行きたいと思っていたのですが、夏休みもお正月休みも、はたまた五月の連休までも、必ず、パパの実家で過ごすことが、いわば当然だった我が家では、叶わぬことだったのです。
それが、じいちゃんとばあちゃんと同居することになり、休日の過ごし方が変遷してきました。
けいこたんのママは、脳梗塞で右手が不自由。右足はなんとか歩けるものの、バランスがあまりよくないのです。
だから、三人分の荷物を、大きなバッグ1つにまとめて、ひとりはママを、ひとりは荷物をと分担しました。
往路は、空港で職員さんが杖を持つママを目ざとく見つけて、先に案内してくれて、乗り込むことが出来ました。
ママは、常日頃、「廊下を行ったり来たりしているから、運動はいいよ」と言っていましたが、今回、一緒に歩いてみて、いかに足が弱っているかがわかりました。
常日頃あまり歩いていないので、例えば、段を上がるとき、どちらの足から上がったほうが、楽なのか、どちらを向いて、車に乗り込んだほうが楽なのかなど、経験を積んでないだけに、なんとも、危なっかしいのです。
そして、私達(けいこたんとお姉ちゃんの二人)は、ママと長い時間過ごしたことがなかったので、どれくらい歩かせたらいいのかわからず、初日、少し無理をさせてしまったようでした。
飛行機の中で、知り合った韓国人女性に教わった美味しい参鶏湯のお店に行こうと言っても、「あんた達だけで、行っといで。私は、なにか、買ってきてもらえばいいから。」と動くのを躊躇しました。
結局、説得に負けて、ママも美味しく参鶏湯を食べました。
ちなみに、ママは、ソウルで年を聞かれる度に誰からも「若いですねえ!」と驚かれた79歳。戦前、ソウルを経由して、満州(中国)へ、渡って以来の海外旅行でした。

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