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2008年3月17日 (月)

再び、静かになった

夕食後、じいちゃんがふと「もう外は暗うなったごたるなあ。」と言った。
「もう夜だからね。」とけいこたんが答えると、じいちゃんは「もうそろそろ戻らんといかん」
またまたじいちゃんのお邪魔しましたが始まった。
じいちゃんは時折、自分はこの家に遊びに来ているだけで、遅くならないうちに帰らなければという気持ちになるらしい。
そこで、「おじいちゃんはずっとここにいるんだよ」と言うと、「そんなわけにはいかない」ときた。
そこで「おばあちゃんもずっとここにいるんだよ」と言ってあげると
じいちゃんは「こいつは、そげん厚かましいことば考えとるとか?」
「おい、ぬしは、ここにずっとおるとか?」
ばあちゃんはそれまで、けいこたんとじいちゃんの会話を眺めていたが、自分に対してのじいちゃんの問いかけになにを思ったか「ここにおられんなら、弟のとこにでも行くしかなか。だけど、弟はひとり(ばあちゃんの妹のことらしい)面倒ば見たけん、自分まで世話になるわけにはいかん」
ばあちゃんはいつもの勘違いというか、妄想の世界に入り込んでいたので、ふたりの会話はなんともチグハグだった。
「おじいちゃん、パパがあんなに一生懸命面倒みてるのに、そんな悲しいこと言わないように、おばあちゃんに言ってきかせてよ!」とけいこたんが言うと、じいちゃんはばあちゃんに、「おい、そがんことば言うけん、ご機嫌ば損ないよるぞ。」
「おじいちゃん、そうじゃなくて、人の道として、そんな言い方はないでしょう。はい、おばあちゃんに言ってきかせて。」
じいちゃんは「う~ん、間違えた。そがんことば言うといかんぞてったい。」
「おばあちゃんの妄想だけん、仕方なかもんねぇ。」
じいちゃんは「そうたい、妄想だけん、気にせんがよかたい。もうそろそろ、帰らんといかんばい。」あいたた。
ようやく、二人が寝静まった頃、けいこたんが、生協の注文を考えていると、「けいこたん、けいこたん、じいさんば連れて行かれた!」
トイレから出てきたばあちゃんが叫んだ。
「おばあちゃん、おじいちゃんはここに寝てるでしょう。」
布団からじいちゃんが「ここにおるぞ」と声をかけた。
ばあちゃんは「う~ん、(それ)なら、弟だったかな?」
「おばあちゃん、ゆめ、ゆめだよ。」
ばあちゃんは「なら、どうやらこうやら、もう一時(いっとき)寝ろ。すんまっせんな。」
「はい、おやすみ」
再び、静かになった。

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2008年3月15日 (土)

履物

履物といっても、靴ではなく、靴下のことだった。
ばあちゃんから食事の前に手洗いに連れて行かれたじいちゃんが「はきもんのなかったあ!こらっ!わからんかっ!」と怒鳴る声がした。
洗面所を覗くと、じいちゃんが片方だけ靴下を履いた姿で立っていた。
ははぁん、じいちゃんたら、どこかで靴下が片方だけ脱げたらしい。
「おじいちゃんっ!」今度はけいこたんが大声をあげた。
「そんなに、大きな声あげることないでしょっ!」てへっcoldsweats01coldsweats01coldsweats01
「こやつは、言わんとわからんっ!」
こやつとは、こいつってことだ。
こやつはわからんっ!と言われたばあちゃんは、幸いなことに都合の悪い事は聞こえない耳なので、平気の平左。
とにかく、先に手洗いを済ませて、ご飯食べててとじいちゃんを促すと、じいちゃんはけいこたんには素直だった。
だが、テーブルに着いたじいちゃんはけいこたんの方に、靴下をはいてないほうの足を差し出した。
「ご飯食べてる間に探してくるから、先にいただきますの薬を飲んでね」
じいちゃんは、「ふんふん」と薬を飲み、それから食べ始めた。
じいちゃんの靴下はベッドの中を見ても、部屋を探してもみつからなかったので、けいこたんは別の靴下を持って、ご飯を済ませたじいちゃんの足元に座った。
するじいちゃんは、けいこたんのほうに向き直り、再び靴下を履いてないほうの足を差し出した。
「かたっぽはみつからんから新しい靴下持ってきました。」
じいちゃんは片方を履くと、もう片方の足を差し出した。

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2008年3月12日 (水)

孤軍奮闘

いつもは、帰宅すると、駐車場から、リビングの電気がうっすらとついているのが見える。
ばあちゃんが、夕方洗濯物を取り入れ、雨戸を半分だけ閉めて、リビングの電気をこれまた半分だけつけて、自分達は、寝室で休んでいるのだ。
しかし、昨日は、車から降りて、家を見上げると、ジルの吠える声だけが聞こえ、室内は真っ暗な様子。
道路から11段ある階段を上がり、門扉を開け、玄関まで急いだ。
玄関から「ただいま」と入ると、じいちゃんの声が真っ暗なリビングのほうから聞こえた。
ドアを開けようとすると「おい!危なかた!」???
ドアを開けるとき、抵抗を感じたのは、じいちゃんにあたったせいらしかった。
手を延ばして壁のスイッチをつけた。
じいちゃんが、少し後ずさりしたので、扉を開けることができた。
ジルはけいこたんが帰宅するといつも「ワンワン」と歓迎してくれる。
それがじいちゃんには五月蝿かったらしく、「こらっ!」
じいちゃんは、真っ暗な室内で電気のつけ方もわからず、ウロウロしていたようだった。
食器棚の扉を開けたり、台所の食器ふせをひっくり返してみたり、いすを引っぱったりして孤軍奮闘していた。
「おじいちゃん、今帰ったよ。もう大丈夫だからね。」
「ああ、どこがどこやらさっぱりわからんだった。」とホッとした様子のじいちゃんだった。
「今から、ご飯作るから、もう少し待っててね。」
じいちゃんは「うんうん」と首を縦にふり、けいこたんに言われるままにテーブルに着いた。
おっと、食事前に着替えようということになり、じいちゃんを寝室へ誘導。
「あたは、俺達が来てから大事(おおごと)になったろう?」
「いいや、そんなことないよ。」
優しく言われると、返事も優しくできるってもんだ。
ばあちゃんを起こして、三人の夕餉。
じいちゃんがけいこたんの顔を見て「ご主人はまだな?」
「ご主人ってだれのこと?」
じいちゃんは「さあ???」
???

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2008年3月 7日 (金)

ずれ

夕方帰宅すると、リビングの電気は消え、台所の電気だけがついていた。
なにやら変な予感。
ばあちゃんがひとりでご飯を食べていた。
ばあちゃんはけいこたんの顔を見ると「お姉ちゃんがいないって言うけん〇△◇×〇・・」
「おばあちゃん、誰がそんなこと言ったの?」
ばあちゃんはまだ会社で仕事中のパパの名前を挙げた。
「お姉ちゃんがおらんなら、ご飯ば食べなんけん。じいさんは起きらんし、一人で食べた。おかずはどうやるかわからんだった。昆布の粉やら塩やらかけると美味しかったよ。」
なんとも意味不明だが、とにかくばあちゃんはひとりでご飯を済ませていた。
それから、夕食の支度を始めたけいこたんを見て、「どれ、じいさんば起こしてこ(来)」と部屋を出て行った。
まだ出来上がってなかったが、じいちゃんをともなって戻ってきたばあちゃんは再びテーブルに着いた。
ばあちゃんは「昆布の粉ばご飯にふりかけて食べたらうまかったよ。」とじいちゃんに話しかけていた。
「おばあちゃん、ご飯まだ入りますか?」
ばあちゃんは「もう入らん。」
帰宅したパパに事の顛末を話すとパパはまたまた苦笑した。
けいこたんとパパの受け取り方は少しずれているかも。wobbly

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2008年3月 6日 (木)

粉瘤

じいちゃんの肩のあたりにおできのようなものがあるとヘルパー氏メモにあり、翌日のデイサービスからもそのおできの報告を受け、じいちゃんは皮膚科受診することになった。
朝から、パパはばあちゃんにじいちゃんの皮膚科受診を告げ、ばあちゃんは留守番しているように話していたようだが、いざ出かけようとするとばあちゃんがお出かけの服に着替えてやってきた。
「朝から何回も説明しとったのに」とパパ苦笑。
さて、じいちゃんの肩の後ろのおできは、粉瘤といって先生曰く「こぶとり爺さん」のこぶのようなものだそうだ。
何らかの刺激により真皮内に入り込んだ表皮が袋状になりそこに老廃物がたまって徐々に大きくなっていくそうだ。
結局じいちゃんの背中のこぶは摘出手術が施された。
じいちゃんに「痛みますか?」と聞いても「なんのぉ」と答えるし、痛そうにもしてない。
だが、傷口にはガーゼが詰め込まれ、毎日付け替えをするように指示が出た。
粉瘤か。
またひとつ勉強になった。

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2008年3月 2日 (日)

解せないらしい

ばあちゃんがけいこたんのところにやってきて、自分の弟の電話番号がわからないと訴えた。
パパに聞いてみたらと答えると、「あれが教えんもん!」
パパに聞いて、受話器を渡すと、ばあちゃんはしきりにおじさんの名前を叫んだ。
相手も耳が遠い人なので、互いに「聞こえん聞こえん!」を繰り返し、とうとうおじさんは電話を切ってしまった。
再度、ダイヤルを回して、わけを話し、ばあちゃんに受話器を渡した。
再び、同じ問答が繰り返され、それからばあちゃんはようやく受話器の向こうに自分の弟が出ていることを認識したらしかった。
「あんたに話ば聞いてもらいたい!」ばあちゃんの訴えはこうだ。
この家がどうなっているか、けいこたんとパパが別れることになったら、自分はどうなるのか?
というのも、ばあちゃんの頭の中では、パパが自分の妹(つまりは、パパの叔母さんだが)と出て行こうとしているらしく、残された自分達の世話をけいこたんに押し付けていくのはけしからんらしかった。
けいこたんがなんにも言わずにニコニコしてるのがなんとも解せないらしかった。
挙句の果てに、ばあちゃんはけいこたんに「自分の命が一番心配たい!」と訴えた。
ばあちゃんの頭の中では、とうとうけいこたんとパパが別れ話をしている場面が作られているらしかった。
じいちゃんに説明すると「ふん!女はどげんことでん、考えるな!」
パパは「けいこたんはいいよ、悪者はこっちだから。これが、逆なら腹もたつだろうけどさ。」
もう、笑うしかないたい!

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2008年3月 1日 (土)

じいちゃんの目

近くに新しく眼科が開院したので、じいちゃんとばあちゃんを診てもらった。
このまま通院が続くなら近いほうがいいにきまってるさ。
もちろん、付き添いはパパ。
その結果、じいちゃんの白内障の目薬は使う必要なしと診断された。
緑内障のほうは、眼圧が高くなっており、目薬の種類が変更された。
今まで、4剤使っていた目薬が結局2剤になり、朝1剤、夕1剤に減ってしまった。
だが、楽観はできない。
じいちゃんの右目は中心が見えてないとのことで,1週間後に再検査。
急激に右だけ視力が低下しているので、他にも原因があるかもしれないというわけだ。
場合によっては、精密検査もあるかもしれない。
左目は大丈夫とのことで、少し安堵。
夕食時、目の話をしながら、「おじいちゃん、わたしの顔が見える?」と聞くと、じいちゃんは、けいこたんの顔に向かって、人差し指を伸ばしてきた。
パパが「おれの顔は見えるね?」
じいちゃんはまたまた「うんうん」と言いながら、パパのほうへ、人差し指を伸ばそうとして、隣のばあちゃんの方を向いた。
それから、パパの「こっちこっち」の声のほうへ、指を向け直した。
じいちゃんの視力はやはり、次第に落ちてきている。

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