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2008年10月31日 (金)

陽あたり良好

最近のじいちゃんは、食事の後、「いただきました。もう、寝ます」がお決まりのフレーズだ。
朝食後もこう言うので、「おじいちゃん、今は朝ごはん食べたばかりだから、まだ起きとかんといかんよ」とけいこたんが教えてあげると、じいちゃんは「そうなぁ。まだ朝なぁ?」と答える。
それから、ソファーのほうへ移動して、そこで再び横になる。
だが、移動の際、じいちゃんは手さぐりしながら歩いて行く。
明るさはわかっているとは思うのだが、ずいぶん見えにくくなっているようだ。
それなのに、部屋の隅っこを指差して、「あの人は、誰な?」と聞くところは、ばあちゃんと同じことになってきたのかなとついつい思ってしまう。
ここ数日は、自分の父親を探しているので、数十年前に亡くなったとけいこたんが教えてあげた。
じいちゃんは半信半疑だったが。
そんな日は、夕食後、決まって「ほなら、もうそろそろ帰ります」と言って、立ち上がる。
「今夜はもう遅いから、泊まっていったら」とけいこたんが引き止める。
それから、着替えをして、じいちゃんは寝床に着く。
毎日3回の総着替えの締めくくりは、パジャマ。
洗濯物は、陽あたり良好なわが家の庭でよく乾くので、本当に助かっている。

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2008年10月26日 (日)

元通り、元気

昨夜の丑三つ時、玄関の開く音がして、庭でなにやら人の気配。
外に出てみると、門のほうへ歩きながら、ばあちゃんが「どこにおるとな?(どこにいるの?)」と誰かを呼んでいた。
いつもなら、杖をついているはずだが、特に歩きにくそうでもないばあちゃんに「おばあちゃん、今は夜中だよ。さっ、中に入るよ。」
ばあちゃんはけいこたんに手を引かれて子どものように着いて来た。
ばあちゃんが深夜玄関を出るのは多分久しぶりのことだ(寝てしまったら、地震でも気がつかないけいこたんなので、多分としか言えないが)が、ばあちゃんの足は元に戻っているようだな。

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2008年10月25日 (土)

公務

けいこたんは、先日の公休日に珍しく、じいちゃんを眼科へ連れて行った。
いつもは、パパが土曜日に連れて行くのだが、忙しいパパに替わって公務(わが家では、じいちゃんとばあちゃんに関する仕事をこう呼んでいる)をこなそうというわけだ。
今年の春に開業した近くの眼科で、パパに習ったとおり、まず、玄関でじいちゃんを車から降ろし、待合室で待ってもらって、少し離れた駐車場に車を置きに行った。
じいちゃんは手を引いて歩こうとすると、後ろに体がのけぞってしまう。
いつも、横にばかりなっているので、筋肉が衰えているのだ。
嬉しいことに眼圧は少し下がっていた。
現在、点眼液は2剤だけ。しかも、朝1回のものと。夜1回のものと2種類だから、以前に比べてずいぶん楽になった。
ただ、白内障も併発なので、じいちゃんの右目は下部のほんの少しの部分しか見えていないそうだ。
左目は、中心部から少しずれたところに見えてない部分があると、パパにも以前説明してくれた内容をけいこたんもDrから聞くところとなった。
じいちゃんの歩きにくそうな様子は、筋肉の衰えだけではないんだなぁ。
診察が済み、看護師さんも一緒に待合室まで、着いてきてくれた。
「どうもありがとうございます。」とけいこたんは言いながら、じいちゃんにも、「どうもありがとうございます」を促した。
じいちゃんは「どうも・・」と去りつつある看護師さんの方に向かって声をかけながら、「もうあっちに行きよらすばい」と言って笑った。
それから、再びじいちゃんを待合室に待たせて、隣の薬局へ点眼剤をもらいに行った。
ほんの少しの間だったが、じいちゃんは静かに待っていた。
「おじいちゃん、もう終わったよ。」
じいちゃんは「ここの先生は忙しかごたるな。ちょっとしか診なはらんだった。」
じいちゃんには、ちっとも待つことが苦にならないらしい。

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2008年10月19日 (日)

ぶどう豆

今日は日曜日だが、パパが仕事に出かけたので、けいこたんは、教会を休んで、じいちゃんとばあちゃんとお留守番することにした。
病み上がりのばあちゃんは、杖をついて起きてきたが、ベッドを片付けたので、朝食の後は、仕方なく、畳の上に敷いたカーペットにごろんと横になっていた。
じいちゃんは、リビングのソファーに座っていたが、しばらくすると、やっぱり横になってしまった。
けいこたんは、ずっと気になっていた台所の出窓のセントポーリアの植え替えをした。
電気コンロの上では、昨日から準備していたぶどう豆がコトコトグツグツ言っていた。
しばらくすると、大豆はいい色になり、さあ、最後の仕上げ。ここで一気に強火にして照りをつけるところまできた。
ふと、じいちゃんがソファーから立ち上がった。
「おじいちゃん、おしっこ?」
じいちゃんは「いいや、出らんごたる」
和室へ連れて行って、重くなったじいちゃんの紙パンツを取り替えた。
「おじいちゃん、気持ちよくなったねぇ」
じいちゃんは「ありがと」
さて、気をよくしたけいこたん、リビングに戻って、台所から漂うおこげの臭いで、ぶどう豆のことを思い出した。
ああ、またやっちゃった!
中火で何分、弱火で何分と根気よく煮あげた大豆だったが、最後の仕上げが、ものの何分もかからないのに、ついうっかりをやってしまった。
鍋底に貼りついたおこげをそうっと取り除いて昼間の食卓に出した。
ばあちゃんが夕食にも「豆のよう煮えとる」と言って食べてくれたので、まずはめでたしめでたし。

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2008年10月16日 (木)

もう大丈夫かな

前回のショートステイから帰ってきた時は、ばあちゃんは、いきなり床に手をついて、立ち上がろうとしなかった。
トイレに行くにも、台所に来るにも、杖をついてやってきた。
〝足が思うように動かない〟ということだった。
朝から「痛い痛い」と言うので、痛み止めの坐薬を入れてやった。
ようやく痛みも取れて、「痛みはどう?坐薬入れる?」に対し「もう、よか!」と元気を取り戻したかのように見えた。
けいこたんは、連日の忙しさで、風邪気味だったが、仕事は休めない。
職場は相変わらずの人手不足なのだ。
さて、この連休もショートステイで、2週連続となったが、ばあちゃんの痛みも取れてるし、元気に送りだせた。
だが、今回は、熱が出てしまった。
ばあちゃんは帰るなり、ふらついて、自分で歩くことができない様子だった。
ベッドに連れて行ったが、ベッドに昇ったかと思うと、ベッドに接している出窓のほうまで昇ろうとした。
ようやく、ベッドに寝かせると、今度はシーツをめくり始めた。
「食事は入らない」と言うので、「それなら、お茶だけでも」と言って、パパがばちゃんの手を引いて、ようやく歩かせて台所まで連れてきた。
隣でじいちゃがご飯を食べ始めた。
お茶とお箸だけ先に準備していたので、ばあちゃんはお箸を手に持って、トントントントンと揃え始めた。
「おばちゃん、ご飯つぎましょうか?」
ばちゃんは「はい。」
食べる気満々に戻っていた。
全部平らげたばあちゃんだったが、翌日も38.8度。
ひょっとすると、また入院?
出勤前に、パパが病院に連れて行ってくれた。
診断は、ウイルス性のものでしょうとのことだった。
二次感染を危惧してか、抗生剤が処方された。
だって、ウイルスには抗生剤は効かないのだから。
さて、ばあちゃんは、平日の昼間は、デイサービスを休んでヘルパー氏に依頼することにした。
勿論、じいちゃんも同行二人だ。
さて、今日のばあちゃんは、「手や足が痛い。肩も痛くて、骨が折れているかもしれない」とヘルパー氏に訴えたようだ。
パーキンソン病が進むと、手足が硬直し、寝たきりになる恐れがあるので、なんとかして動かさないわけにはいかない。
けいこたんはばあちゃんに「動かさないと、余計動かなくなるよ。」と言ってみたが、ばあちゃんは「今日まで、寝せといて」
お風呂も、足が上がらないと言うばあちゃんを、ヘルパー氏はシャワー浴にしてくれていた。
夜になって、ばあちゃんが杖をついてやって来た。
「ああ、あたはおったな。電気がついて、人が行ったり来たりしとったけん、見に来た。」
ちょうど、食事に起こしに行こうとしていたので、そのままご飯にした。
昼間は食欲がないと、おかずは残してあったが、〝いきなり団子なら食べれるかもしれないので〟と準備していたいきなり団子をばあちゃんは案の定食べていた。
夕食は鍋用の材料にご飯を入れて雑炊風にしたら、昨日より食べれるようになっていた。
やっぱり、食欲のないばあちゃんは似合わない。
今夜は〝渡る世間・・・〟の日だ。
ばあちゃんは9時になったら、さっさとイヤホンをつけてテレビを見ていたから、もう大丈夫かな。

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2008年10月 5日 (日)

魔法の言葉

夕食後、ばあちゃんがさっさと寝室に下がってしまったので、じいちゃんはどうしていいかわからずにいた。
「おばあちゃんは、もう寝室に行ってしまったよ」と教えてあげると、「俺の手もひかんで、勝手なことを。おごらないかん。(これは、肥後弁で叱るの意味)」ときた。
けいこたんが、じいちゃんの手を引いて寝室に連れて行くと、ばあちゃんはすでにベッドの中だった。
ばあちゃんに文句を言いたげなじいちゃんを棚に摑まらせてパンツをかえた。
じいちゃんの機嫌を害わないように「おじいちゃん、少し堅いから押すよ」とか、「もう少しふんばってみて」とか言いながら、ようやく数日便秘だったじいちゃんをすっきりさせることが出来た。
するとじいちゃんは「ありがと。」とつぶやいた。
いつもなら鼻に残る臭いがけいこたんはちっとも気にならなかった。
ありがとうは魔法の言葉だ。

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2008年10月 1日 (水)

性格の凝縮

じいちゃんは90歳。
本当なら、家でのんびり過ごしたいんだろうなあ。
だけど、家にいても趣味もないし、近くに友達もいないじいちゃんはやることがない。
食事の後も、「寝るが一番よか」と言って、たいていはごろんとなっている。
だが、それでは、この夏入院していた時のように、足元もふらつき、いわゆる廃用症候群になって、それこそ、寝たきり老人になるだろう。
紙パンツの中でいつもちょびっとずつ垂れている尿で痒いのか、パンツの中に手を突っ込んだりするじいちゃんはお風呂で洗ってもらわないと、尿路感染症や皮膚病が懸念される。
食欲は以前にも増して旺盛なので、糖尿病も進むかもしれない。
そんなこんなで、嫌がるじいちゃんを、今日もデイサービスに送り出した。
じいちゃんは杖を持った手をデイサービスのスタッフ氏に持ってもらった時、指が杖に当たってしまったようだった。
そんなに激しく当たったわけでもなく、触れた程度だったが、それがじいちゃんはシャクニサワッタようだった。
「こらっ!くらすっぞ(殴るぞ)!」
それから、一歩進むごとに、じいちゃんはブツブツブツブツ。
デイサービスのお迎えの若いお嬢さん二人は、そんなじいちゃんをニコニコ顔で連れて行ってくれた。
じいちゃんは若い頃から短気者だった。
年を取ると、性格が丸くなるのではなくて凝縮されるんだってと、以前パパから聞いたことがある。
年を取るとはこういうことでもある。


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