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2012年3月31日 (土)

謎が解けた

 ばあちゃんの誕生日、今年もでこちゃんから贈られた花を持って病院へ行った。
ばあちゃんは、目をつむっていた。
そこで、パパとけいこたんは、耳元で交互に「お誕生日おめでとう」を連発した。
ばあちゃんは、目が覚めたらしく、細い目をほんの少しだけ、ほそ~く開けた。
すかさず、花を目の真ん前まで差し出して、「ほらっ、いい匂いでしょう」とか、「きれいでしょう」とか、「90歳だよ」などと口にした。
ばあちゃん、わかってくれたかなあ。
先々週、ばあちゃんのベッドサイドには、花かごがあった。
誰から?
聞けば、今月はお誕生月なので、病院からのプレゼントとのこと。
そういえば、昨年8月、じいちゃんのベッドサイドにも、花かごがあった。
誰が飾ってくれたのか、けいこたん達は、わからないままに、いつしか、片付けてあった。
そうか、あれも、じいちゃんんへの病院からのプレゼントだったんだ。
ようやく謎が解けた気がした。

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2012年3月26日 (月)

にかーっ

 
 きのうは一日早く結婚記念日の祝宴を設けた。
といっても、日曜日でおまけに教会は、次年度の計画総会の日で、帰りは夕方になってしまった。
けいこたんは、デパ地下で、○○亭のディナーを買ってきて、食卓に並べた。
ちょっと、フレンチ風の小粋なテーブルになった。
そしてそして、テーブルに飾られたパパからのほんの数本の真っ赤なバラの花で、さらに幸せ感が増した。
 二男のさっくんが、「やるねえ!」
パパは、「たまにだから効果があるんだよ」
けいこたんは〝にかーッ〟

 「今日のばあさんはちょっとにこっとさした」と、34回目の結婚記念日のお祝いになるようなパパからの報告。
そうそう、最近のばあちゃんは、少し目を開けて何か物を言おうとしたり、声を出したり、と 反応が出てきた。
ばあちゃんの90歳の誕生日ももうすぐ。
プレゼントの花がわかってくれたらいいのだが。

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2012年3月 5日 (月)

ハイ

 ばあちゃんの下唇の傷はずいぶんよくなってきた。
今日は、ハチミツを綿棒につけて塗ってみた。
ばあちゃんは、少し顔をしかめたようだったが、しばらくすると、舌をペチャペチャと言わせ始めた。
「おばあちゃん、甘いでしょう?」
ばあちゃんが目を開けた。
看護師さんが名前を呼ぶと、しっかりと「ハイ」と返事した。
けいこたんが、「うわぁ、久し振りに声が聞けた!」と言うと、看護師さんも、「私も久し振りに聞きました!」

 ばあちゃんは、昨年秋頃から、食べる力が衰えてきて、途中でやめてしまうので、とうとう経管栄養になっていた。
しかも、年が明けたら、胃婁を考えていると言われていた。
けいこたん達は、仕方ないことかと覚悟を決めた。
それが、年が明けてみると、チューブを自分ではずすこともないので、このまま様子を見ることにしたと言われたのだ。
つまりは、ばあちゃんが自分でチューブを抜く元気もなくなってきたということか。
けいこたんは、なんとかしたいと思っていたし、なんとか出来るのではと考えてもいたが、じいちゃんのことで、ばあちゃんのことまで、気がまわらなかった。
いつも、声をかけても返事がないまま、家路に着くのはなんともむなしいことだった。
 
 ところが、ばあちゃんの唇が、長く伸びた前歯で傷がついているのを見ると、やっぱり痛々しかった。
以前、植物状態の人が、口から刺激を受けて、少しずつ覚醒していく様子を、テレビで見たことがあったけいこたんは、やはり諦めるわけにはいかないのだ。
巷では、春は目の前まで来ている。
ばあちゃんにも、春が来るといいな。

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2012年3月 3日 (土)

ハチミツとバラ

  最近のばあちゃんは、意識があまりはっきりしてない。
パパが病院から帰ってくるとけいこたんは決まって聞く。
「お母さん、どうだった?」
「寝とらした」
こんな会話が続く。

 けいこたんは、バラの香りの化粧水を選んで、顔につけるだけでなく、ばあちゃんの鼻の先にも近づけてみた。
無表情だったばあちゃんの顔が、ちょっと「匂った」感じの顔に見えた。
 それから、ハチミツをお湯で薄めて、ガーゼにつけてばあちゃんの唇を拭く。
ばあちゃんの唇が1箇所だけ、傷になっているからだ。
ばあちゃんの、1本残っている前歯が、どうしても当たってしまうようだ。
ハチミツには、痛みを和らげる効果がある。
痛みを和らげるだけでなく、甘い味を感じて、ばあちゃんが覚醒してくれることを期待して、ちょっと頑張ってみようと思うこの頃。

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